合格おめでとう − 九州工業大学情報工学部新入生へ −

はじめに

九州工業大学情報工学部新入生のみなさん,合格おめでとうございます.

みなさんが九工大に入学するのが本意なのか,不本意なのかわかりません.本意で入学したみなさんは良いのですが,不本意で入学した皆さんは,しばらく気持ちの整理が大変かもしれません.しかし,九工大には,思ったよりも面白い人たちがたくさんいますので,あまり斜に構えず,大学生活を楽しんでほしいと思います.(少なくとも,最初数回の講義だけで「クソ大学だ」と判断して,大学を去るのだけはやめた方がよいと思います.大学の真価は,講義以外のところにこそあると思うからです.)

みなさんには,どの大学を受験するか選ぶとか,実際に合格した大学に入学するか浪人するか選ぶとか,大きな選択の機会がたくさんあったと思いますが,「選択」は,選択する前よりも,選択した後の方が大事です.ぜひ自分のした選択に自信を持って頑張ってほしいです.

この文章の筆者について

筆者は,九州工業大学情報工学部の一学生です.具体的に言うと,知能情報工学科の新4年生です.人工知能に興味があります(と言っておけば世間様のウケが良いのでそう言っています).

なぜこの文章を書いたか.

さて,今ごろから,4月の終わり頃ぐらいまで,色々な先輩が,寄ってたかって,聞いてもない「ありがたいアドバイス」を色々と言ってくると思います.鬱陶しいと思いますが,先輩方の自尊心に関わる問題ですから,どうかニコニコしながら,きちんと聞いてあげてください.とはいえ,アドバイスの内容は玉石混交(良いものもあれば悪いものもある状態)なので,内容が本当かどうかは,自分の頭で考えましょう.

なので,わざわざ私が出しゃばって「ありがたいアドバイス」なんかしなくても,必要なことはすべて,もっと社交性の高い先輩たちが後輩に伝えてくれると思っていたのですが,どうやら,私が重要だと思っていることが色々と伝えられていないようなので,ここにでも書いておきます.大学新入生に限らず,新2年生ぐらいまでは読んで意味のある文章だと思っています.新3年生以上は手遅れなので諦めてください.

単位と勉強について

九工大生の何割かは,「単位」をとることが勉強であると勘違いしています.全然違います.勉強したから単位が出るのであって,単位が出たからといって勉強したことにはなりません.

本来なら,きちんと学んだ証として「単位」が認められます.しかし,前日に気合を入れて丸暗記するなどすれば,意外と簡単に「単位」は揃ってしまうのが現実です.丸暗記で乗り切って単位を取ること自体に文句を言うつもりはないですが,そうして得た単位は,大して自分の実力になっていないことを知っておくべきです.

「単位は一通り揃えたが,何の実力もついていない」ということにならないように,注意して勉強していって欲しいと思います.

講義と勉強について

色々な人たちから,「講義に出席することが最善の勉強である」という説明を受けるかもしれません.あえてこれには反論しませんが,とりあえず「講義には一通り出席したが,何の実力もついていない」ということにならないように,注意して勉強していって欲しいと思います.

意識高い系の勉強について

九工大には,意外に意識の高い集団が色々いて,定期的に勉強会を開いたりしています.そういう人たちに混ざって「自分の勉強」を進めていくことは大変良いことだと思いますが,くれぐれも以下のことには注意して欲しいと思います.

  • いろんな集団に所属しすぎない:本当に自分の実力がつくと思った集団1,2団体にだけ所属して,そこでしっかりやりましょう.いくつも掛け持ちすると,身体が持たないか,全部適当になるか,どちらかです.

  • ほんとうに自分自身に実力がついているか自問する:意識の高い集団に所属しただけで,意識が勝手に高くなることはあっても,実力が勝手に上がることはありません.自分が苦労することによってのみ,実力が上がります.苦労を人任せにするために団体に所属するのではなく,きちんと自分で苦労するために団体に所属しましょう.

文章の読み書きをできるように

我々はなんとなく日本語を読み書きしているので,いつのまにか,自分には読み書き能力に問題がないと思ってしまいがちです.しかし,それはそのレベルのコミュニケーションしかしてこなかったからであって,より高度な事柄についてコミュニケーションしようとすると,途端に読み書き能力の不足が問題になってきます.

文章の読み書き能力を向上するために重要なことは,「普段から,強く意識して文章を読み書きすること」だと思います.文章を読むときは,「この人はなぜこのひように書いたのだろう」「この人は自分に何を伝えようとしているのだろう」と,常に問いかけながら読むと良いと思います.一方,文章を書くときは,「読者に正確に伝えることができているだろうか」「読者にとって読みやすい文章を書くことができているだろうか」と,常に問いかけながら書くと良いと思います.

複雑なことを,正確に,しかもわかりやすく表現するというのは,本当に難しいことです.一朝一夕ではなかなか身につかないと思いますが,お互い頑張っていきましょう.

最後に

先輩ツラをしていろいろ言いましたが,一番大事なことは,先輩の言うことを鵜呑みにせず,自分の頭で考えることだと思います.妥協せずに考え抜いて欲しいと思います.

九工大に入学されたみなさんが,卒業時には,何か一つでも,他人に誇れる実力を身につけていて欲しいと思っています.お互い頑張りましょう.